2013年11月6日水曜日

a visit to north great.

先週の日曜日は、お休みをいただきちょこっと足を伸ばしてきました。





ずっと行ってみたかった憧れの場所へ。







そう、伺った先は、長野県は志賀高原。

あの志賀高原ビールのBREWERYです。



ご存知の方も多いかと思いますが、【志賀高原ビール】は、今の日本のクラフトビールシーンの牽引役的な存在。

都内や横浜をはじめ、気の利いたビールを置いてあるお店のタップには、たいがい志賀高原さんの樽が繋がっていると言っても過言ではない状況なくらい。

そのイメージシンボルである青い龍の如く、飛ぶ鳥を落とすような勢いで、志賀高原ファン、ひいてはクラフトビールファンを増やしているBREWERYであります。





もちろん、僕も大ファンなんです。


いつも人から、国内で何処のBREWERYが好きかと聞かれると、真っ先に答えるのが長野の志賀高原ビールと沼津のベアードビール。

(ベアードについては以前のブログでも書かせて頂きました→ http://www.yorocco-beer.com/2013/07/short-trip-for.html  )



もうずっと以前から好きで、志賀高原ビールさんのBlog「ゆるブル」はかねてよりの愛読。

ですが、未訪だったのです。
好きすぎて、なかなか行けなかった!?


今回は、志賀高原ビールのホップ収穫祭というイベントがあり、このタイミングで行くしかない!と急遽前日に某BREWERYの友人を誘って二人旅してまいりました。


出発前から、そんな予感と確信めいたものはあったのですが、やはりこの旅が僕の今後のBrewing Lifeに多大な影響を及ぼすようなBig Tripに。。。




志賀高原ビールの一つの特徴は?と聞かれたら、やはり真っ先に思いつくのはその鮮やかなホップ使い。

IPAとかHouse IPAとかDPAとかPale Aleとか、すごく色んなビールを造ってらっしゃるのですが、どれも本当にホップ感たっぷ〜りな美味しいビールたち。こちらのビールを飲んでホップヘッズ(=ホップ信者)になった方も多いのでは?



そして、更に凄いのはホップの栽培!

「ゆるブル」のこちらの記事とか見て頂けたら、そのスケール感が分かりやすいかも


うちなんかの、ちっぽけなホップ畑とは違って、すごく大々的にホップの栽培に取り組まれているのです。

そして、毎年夏に皆さんの手で収穫されて(現地で聞いたところ、近所のオバちゃんとかも手伝ってるっぽいです笑)、バチッと仕込んで、秋にHarvest シリーズを何バッチもリリースするという、おそらく日本ではここだけ(!)のBREWERY。

今回、収穫祭ということで、そのHarvest Brewが9種類!(10種類だったかも…)


楽しすぎて、美味しくて写真はあまり撮ってないのですが、もちろん全種類を。



Harvest Brew(=乾燥させない、収穫したてのホップを使って仕込んだビール。通常使われるホップは、保存性を高めるため乾燥される)の特徴は、やはりそのホップの瑞々しさ。柔らかで丸みを帯びた艶のある味わいとでも言うのでしょうか。

一年でこの時期にしか仕込めないビールたちを、すっかり堪能させて頂きました。

そして、それ以外にも滅多に飲めないような秘蔵のビールたちも…。


宴は夜遅くまで続いたのでした。




翌日、幸運にも醸造所の奥の方まで案内いただき、、、


憧れのBarrel Roomへと。


もう一つの志賀高原ビールの際立つ取り組み、それは「木樽」です。

バレルエイジド(Barrel Aged)と呼ばれる木の樽の中で熟成させたビール。
もともとはベルギービール等で伝統的に使われてきたものですが、今やクラフトビールのメッカとなったアメリカなどでは、この木樽を使ったビールたちが人気を集めていたりします。

ワインで使われた木樽やバーボンで使われた木樽の中で、ビールを熟成させることによって、より複雑な風味(complexity)やフレーバーをつけたり、木樽の中で活躍する特殊な酵母を使ったり…。

ステンレスタンク全盛のなかで、あえて木樽を使う理由とは?

またしても「ゆるブル」を引用させてもらうと、こんな感じです


このブレタノマイセスという酵母を使ったビール、僕も大好きなんでいつかは木樽を使ってみたいと強く心に思ってます。
(今のヨロッコの醸造所の広さでは、なかなか厳しくもあるのですが。)

そして、僕の知る限り、日本国内でこの木樽熟成にもっとも(というかほぼ唯一)意欲的に取り組んでおられるBREWERYが、志賀高原さんなのです。


というわけで、僕にとっては孤高の憧れ的な存在。


木樽のゴロゴロ置かれたセラーは、僕にとってやはり圧巻なのでした。


メインとなる醸造スペースは、築年数もそうとう経っていそうな木の梁の残る建屋内。

当然ながらとっても清潔。
たぶんBREWERYの規模としては日本では中規模(ヨロッコは極小…)になるのでしょうか、家族的な雰囲気の中、しかしBrewerの皆さんの心持ちはプロフェッショナルで、そして(もちろん良い意味で)ビール馬鹿。

造ってるビールは一筋通った革新的なものばかり。

自分たちで栽培した、蕎麦とかブルーベリーとかを使ってセゾンというビールを造ったり、育てた大麦を使ってビールを仕込んだり、育てたホップでHarvest Brewしたり、木樽を使ったりと…。

僕がやってみたいということは全て既にされてるというか。


すごい量の仕事をこなしながら、ちゃんと”遊び”というのを大事にされてるその姿勢(スタイル)がすごいな〜!!と、感銘を受けつつ帰路についたのでした。

理想のBREWERYでありながら、僕がもしその域に近づけたとしても、その頃にはまたきっと新たなことにチャレンジされてることは間違いないなと。


いやはや、刺激的な体験でした!







すっかり、チャレンジングな刺激をいただきback to my local brewery.


さっそく冷蔵庫からガサゴソと、初めて使う酵母ちゃんを取り出して。

仕込んでみました。ヨロッコ初となる、"Belgian Saison yeast(ベルギーセゾン酵母)"を使ったビール。

"Saison"というのは、そもそもはフランスに近いベルギーの田舎で、農閑期に農家の人たちが自分たち用に仕込んだビール。

"Farm House Ale"とも言われたりします。

蕎麦や雑穀が使われたり、スパイスが使われたり、一概にどんなのがセゾンかという定義はないのですが、共通するのはホップがよく効いていて、仕上がりがキリッとドライなこと。

これはセゾン酵母の特徴によります。
通常のエール酵母に比べ、セゾン酵母の方がより多くの糖分を食べ、アルコールに変化させるので、必然的に仕上がりのビールに残る甘みは少なくなって、キリッとした飲み口に仕上がる。

ベルギーの農家の方達は、冬場にこのビールを仕込んで、夏場の農作業中にガブガブと飲まれていたようです笑。






ただし、この酵母、とっても気ままなノンビリ屋なようで、発酵が終わるまでにはまだまだ時間がかかりそう。。


写真のように、比重というのを計るのですが、仕込み後1週間経ってもなかなか比重は落ちてゆかず…(通常のエールですと、大体1週間後には1.010を切るくらいまでになるのです)。


しかしながら、味と香りは現時点でもスペシャルです。


ちょこっと酵母を急かしてみようかなぁなんて思ったりもしますが、人間と同じできっとそぞれの持ち味があるわけで。

初めてですし、気長に付き合ってみようと思います。