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来年の"柚子Wheat"は、こんなmagnum bottleにしてみようかと
妄想してみたり。 |
明けましておめでとうございます!
みなさまどんなお正月だったでしょうか?
(僕は例年の如く、呑んでばかり...でした!)
昨年末は、タップルームのオープンもあり、怒濤の師走感。
頭も身体もバタバタしすぎて、行きたいと思いつつも、落ち着いてご挨拶に伺えなかった所も多数ありました。
なんとか30日の夕方に仕事を納め、31日は家の大掃除をしたりお墓参りへと行ったり。
年越しそばを食べるまで持たず、年が明くる時にはすっかり寝てしまっていたようです。
おかげで?明けて、元旦にはすっきりと目覚め、贅沢にも朝風呂に浸かりながら我が身を振り返って見ると…
昨年は10月のヨロッコ1周年祭をピークに、バタバタしっぱなしの一年。。
まあ、開業初年度なので、当然なのでしょうが、本当にあっという間。
本年はもうちょっと落ち着いて、自分の足下と周囲をしっかりと見つめられる一年にしたいななどと思いつつ。。
(結局、バタバタになりそうですが。うちみたいな小規模BREWERYでは仕方ない!?)
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明鏡止水? |
ヨロッコビールの今年のテーマは「一歩下がって二歩進む」?
昨年は、ヨロッコビールとして伝えたいこと、表現したいことをがむしゃらに追い求めた一年でした。
現在の醸造所のレイアウトでは、一か月に仕込める回数は10回が限度。
一仕込み100ℓなので、月間1000ℓ。
限られた製造量の中で、どんな風にヨロッコビールをアピールし、どれだけ多くの方に、クラフトビールという新たなカルチャーに触れてもらえるか。
ヨロッコビールの一つのテーマは、明確に「LOCAL BREWERY」です。
少ない生産量をどう振り分けるかと問われれば、東京あたりでファッション的に消費されるものや、既にビールに詳しい”いわゆるビールマニア”的な方向けに出荷するのではなく、地元で食文化・生活文化の一部として消費されてほしいと願います。
一方で、醸造所運営の裏事情として、高額な酒税という問題があります。
うちくらいの小さな醸造所(だけでなく中規模くらいまでのマイクロブリュワリーはどこも大変なのではないでしょうか)だと、正直言って運営は大変です。
詳しく書くとあまりにせせこましいので割愛しますが、まさに自転車操業という感じ。。
そして、昨年一年間回してみて、結果思い至ったのは「瓶製品を一旦減らす」方向へのシフト。
手作業での瓶詰めにはとてもたくさんの労力とコストがかかります。
瓶代やラベル代、王冠代など。
瓶もリユースしてないので、環境への負荷も大きい。
醸造所への、負荷も大きいのが現状です。
願わくば、タップルームのような環境で、ケグ(樽)で楽しんでもらえたら。
もちろん、まったく瓶詰めしなくなるわけではないですよ。
家庭の食卓にも、ヨロッコビール/クラフトビールが載ってほしいとは常に思っておりますので。
ただ、外に向けて大々的にアピールするということは減ると思います。
ますます「LOCAL'S ONLY」な方向へ。
そして時間をかけて、瓶製品と樽製品のバランスをとっていこうと思います。
BREWERYの健全な運営のために!
それが「一歩下がる」です。
瓶詰めはますます手に入りにくくなりそうで、楽しみにしてくださる方には本当に恐縮ではありますが、小規模醸造・LOCAL BREWERYという「流通」を主眼としたビジネスとは違う形態の、”商い”にご理解いただければと思います。
余談:世界中の品物が今やポチッとネット経由で買えてしまう世の中で、それはそれで本当に素晴らしいとも思うのですが、そうした「流通」ということが、文化の衰退を招いている例も多々あると思います。
たとえば食品。
長距離を流通させるために、保存料や添加物を加えて日持ちをよくする。
味噌や醤油といった、長年育まれた知恵や発酵という伝統技術によって、元来保存性のあるものも、行き過ぎた「流通」や「効率」といったものばかりが重視されるようになって、じゃあ保存料を加えようとか、大きな工場で一括で作ろうとか、それによって小さな醤油蔵・味噌蔵が無くなっていってしまったりとか。
いいものは後世に残せるよう、現世の僕らが支える努力をすべき。とおもいます。
味噌や醤油は無添加・昔ながらの製法のものを!
ビールもそもそも醸造所の近辺で楽しまれていたものが、「流通」により味わいは薄められ、画一的な味になっていった…
昨年末のタップルームのオープンは本当に喜ばしいことでした。
ヨロッコビールは、幸運にも「醸造所」の他に「タップルーム」というフィールドを手にしたことになります。
今年は、そんなタップルームを最大限に活用して、あれやこれやと企画してみようと思ってます。
それはライブだったり展示だったり食とのコラボだったりするのでしょうか。
「ローカルビール」という一つのツールが、どれだけローカルなコミュニティに根付き耕し耕されていけるかという、一つの楽しい実験です。ぜひお付き合いくださいませ。
そして将来、そんな日々を通して、LOCAL BREWERYとしての地力を高めることができたとしたら、その暁には今の醸造所の発酵室を解体して、発酵タンクの置けるスペースを増やし、憧れのタンク毎の温度制御システムを築く、というのが次の目標。
生産量はそんな劇的には増えませんが、今の1.5倍くらいに。それよりもタンクの本数が増えることにより、もっと色んな種類のビールが造れて、より少量多品種の世界へ。
タンク毎の温度制御により、今以上にきめ細かい醸造が可能になります。
より美味しくって楽しいローカルビールに。
これが「二歩進む」のほう。
こちらは期間がどれだけかかるかは分かりませんが。。今年中にできたらいいなくらいに。
というわけで、ネットショッピング・24時間営業・即日発送などが当たり前になってしまったこのご時世では、より一層かな〜り不便なBREWERYとなっていきますが、今年もご愛顧いただけましたら。
最後に。
昨年からクラフトビールは右肩昇りのブームに突入しております。
ブームとして消費されるだけで終わってしまわないように、そのためには前記した酒税法の整備等いろいろと必要なこともあると思いますが、「YOUR LOCAL BREWERY」の存在も大事。
ホームタウンに帰ってきて、馴染みの味の、馴染みの一杯のクラフトビールを飲む。
それは地元で顔の見える造り手により、ハンドクラフトで造られたビール。
そんな体験が、日本ではまだまだ絶対的に欠落してると思うのです。
そこを抜きにはクラフトビールは文化としては根付かないかな?
今年のヨロッコは、そんな「LOCAL BEER」の魅力を最大限にお伝えできるよう、ビール造りの背景や、醸造所の裏側?を綴った、なにかフリーペーパーのようなものを刊行したいな〜と思っております。
そのために、写真などを撮りため中。
出来上ったらもちろんタップルームで、ビール片手に眺めて頂こうかと。
今年はインターネットは止めて、アナログ重視ですね。
(なんてことを企んでいると、また今年もバタバタになってしまいそうですが…)
ともかく、今年はクラフトビールにとって、どんな一年となるのでしょうか?
それを左右するのは、みなさまの日々の選択なのだと思います。
ビールに限らず、「SUPPORT YOUR LOCAL 〇〇〇〇」
地域の小さな生産者/お店/アーティスト…をサポートする気持ちと行動が、きっと暮らして楽しい町並みや、豊かな後世へと繋がると思います。
そして、「SUPPORT YOUR LOCAL BREWERY!」
本年も、ヨロッコビールをどうぞ宜しくお願い致します。
まずは美味いビールを造る、と。
敬具